Episode-4
2007年卒業
京都大学大学院医 学研究科
生島 昭恵さん
なんとか医学部に
合格することができたと、
心から感謝。
先輩の現在は?
大阪市立大学医学部医学科を経て、大阪警察病院で初期臨床研修、大阪府済生会中津病院腎臓内科で3年間後期研修。2018年4月より京都大学大学院医学研究科腎臓内科学へ進学。
一旦、臨床から離れ、基礎研究にチェレンジしています。
大谷での思い出は?
実は、当初大谷は私の第一志望校ではありませんでした。高校受験で第一志望校に再チャレンジしようかと悩みましたが、当時通っていた塾の先生に「大谷は歴史もあるし、面倒見もよいし、新しくできた医進コースにせっかく合格したんだし、行ってみたら」という言葉で、入学を決めました。入学後は、先取り授業や補講、小テストなどはもちろん、1学年上の模擬試験を受験する機会も早くからありました。ラストスパートで「火事場の馬鹿力」を発揮できるタイプではなかった私は、大谷で6年間、じっくり受験対策できたことで、大学受験では第一志望校に現役合格することができました。
理系志望のくせに文系志向だった私は、国語便覧を愛読し、英語をいかに自然かつ美しく日本語訳するかに心血を注ぐなど、受験とは直接関係ないことばかりしていました。しかし、先生方は「この本も面白いよ」「スピーチコンテストに出てみたら」など、私の関心をより深められるよう導いてくださりました。この勉強は、医師になってから、外国人の患者さんへの対応や医学論文、紹介状作成などに大いに役立っています。対して、数学がとても苦手だった私は、担任の先生を6年間悩ませ続けましたが、大谷のきめ細かい指導があってこそ、なんとか医学部に合格することができたと、心から感謝しています。
夢や目標、後輩への
メッセージは?
臨床医は、「医学」だけではなく、患者さんの生活に即した問題も、治療と並行して考えねばなりません。時として、様々な制約の中で、「完治」が目標ではなく「病気と付き合いながら、一番幸せに過ごせる方法」を患者さんと考えるのは、とても難しいですが、やりがいがあります。
腎臓領域では、根治法がまだ無い疾患が多く、成人の8人に1人が慢性腎臓病と言われています。私は、いったん臨床から離れ、基礎研究にチャレンジしてみることにしました。今は未経験の基礎実験に戸惑うばかりの毎日ですが、臨床に還元可能な研究ができるよう、最終的によりよい臨床医になれるよう、頑張りたいと思っています。
在校生で医師を志す方は、相手を尊敬し、相手がどのように感じ、病を抱えて生きていくのかということを考えられる想像力、共感力のある人になっていただけたらと思います。知識・教養だけではなく、これらを満たすやさしい心を持つ女性になるためには、宗教・情操教育を含め、大谷は大変恵まれた環境であると思います。是非、大谷で志高く学び、夢を叶えてください。